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第4回:レイヤーを重ねる構成(垂直レイヤーを重ねる:3階ロビー)

2017.10.30
テーマ:高松のプロジェクト

3階のロビーフロアーに上がると想像していた以上に海の景色が広がっていました。
1階のコンパクトな空間からエレベーター降りると空と海が、見えます。
ロビー空間は親族の方がお待ちいただく空間と対面式というかご親族のご紹介をするお部屋という機能が必要なのですが、どうしても閉鎖的ではなく、繋がっていながらプライペート感が出せるようにしたいと思いました。

なぜなら、3階までお上りいただいた時に感じる開放感からお部屋を3つに分けてしまうことで台無しになると考えたからです。
コンパクトで開放感を保ちつつ、それでいてプライペートを確保でき、対面式が厳かに行える空間。
 
そして、さらにもう一つの難問がお使いになる人数。
人数をとると、椅子でいっぱいになってしまい、ラウンジ感は到底実現できそうにありません。
 
対面式という儀式を最近するところが少なく、だからこそ大切にしたいというお考えのもと、3部屋をどう構成するか。
スタディーを何度も繰り返しました。
 
1部屋をチェストなど家具で間仕切りして2部屋、3部屋に領域を明快にするという方法が
通常、この手の種の問題での解決策になりますし、カーテンで一時的に区切るなどの方法もあります。

 しかしながら、建物を入って最初にご案内する場所が簡易的な感じがするのはどうなのかと。
そこで壁を立てることをやめ、棚を仕切りにしました。
最初はガラスが入っていたのですが、それも外すことに。
30センチの奥行きの壁。廊下を通ると人が通過するのを感じます。中に人がいるのも分かります。
でもなぜかそこには中にいる人の優越感を保てる距離であり、廊下を通る人は自然と気遣って静かに通ります。
 

空気と感覚を感じる壁。
 
  

 
日本人らしい気配りの国だからこそ通用する壁だと思います。
もちろん、視線が合わない位置に本を置いて、気にならないよう工夫してありますが。
  
もう一つは対面式の儀式で使う部屋を真ん中に設けて両控室から入れるようにしたこと。
ご両家別々な控室の中央に空間が生まれることで空間に広がりを感じることができ、
時間になって改めて中央のお部屋に入って障子のような薄い膜で囲まれた空間に入ることにより改まり引き締まった気持ちで対面式に臨めます。

使うスペースのプライベートな度合いによってレイヤーの種類や密度を変えて空間を構成する。
3階の垂直レイヤーの壁はこうして出来上がりました。

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